便秘症
以下のいずれかの場合、便秘と判断されます。
- 週に3回以下の排便、あるいは3日以上排便がない場合。
ただし、便意や腹痛がない場合、ほとんどが消化吸収され腸内に便がない状態なので、問題ありません。 - 排便に苦痛を伴い、排便が困難な場合。
- 一回の排便量が少なく(一日ピンポン玉大程度)、残便感がある場合。
状態
排便回数が少ない、残便感やそのために排便回数が逆に多い、硬い便、腹痛、腹部膨満感、嘔吐、食欲不振など。
腸内で発生した腐敗物が血液中に流れこむことにより、血液が汚れ、細胞に栄養が取り込まれなくなり、代わりに脂肪に取り込まれ、太りやすく痩せにくい身体になる。
血行が悪くなるため、肌が荒れ、免疫力が低下する。
下腹部の違和感が続くことにより、うつを引き起こすこともある。
原因
原因は、人によりさまざまです。
- 食事の量が少なかったり、運動不足により、結腸の蠕動が少ない。
- 食物繊維の摂取不足により、便が硬くなりやすい。
- 食生活の乱れによる腸内環境の悪化。
- 抗うつ剤など服用している薬の副作用。
- 精神的なストレスや生活リズムの乱れにより自律神経が乱れ、交感神経が優位になっている。
- 便意を繰り返し我慢にすることにより、便意が抑制されてしまう。
- 腸の疾患
- 生まれつき、腸の一部が捻れ、細くなっている。
- 糖尿病、パーキンソン病、甲状腺機能低下症などによる腸の蠕動不全。
対処方法
原因によって方法は異なりますが、一般的には、以下の通りです。
- 決まった時間に、排便できなくてもトイレに行き、排便のリズムを取り戻すこと。
毎日出なくても、2~3日に1回でも出て、スッキリすれば大丈夫です。 - 食物繊維を多く摂るように食生活を変える。
お勧めの食材は、食物繊維だけでなくオリゴ糖も豊富に含まれる「きな粉」です。
ただし、食べ過ぎると逆にお腹が緩くなってしまいますので、一日大さじ4杯程度までにしておきましょう。
キウイフルーツもお勧めです。
保水力が高く、1日1個以上、食べるだけで変わります。
便秘は、下腹部の緊張が強い方や本人に自覚がなくても精神的なストレスを抱えている方が多く、まずは整体で対応することをお勧めします。
生まれつき、腸の一部が捻れ、細くなっている場合は、その部分に便が詰まりやすく、痛みを生じることになります。
その部分を緩めることによって、変わります。
自分でやる場合には、その部分の両側を指で軽く突いて(肋骨内の場合は、上体を捻って)、腸を揺らすことで、便が通ります。
自分で出来る対症療法
体操
以下の体操を朝晩行います。
- 立った状態で、腸全体を揺らすように、上体を左右に1分間捻ります。
- 仰向けに寝て膝を立てた状態で、恥骨からおへそにかけて、下から上に持ち上げるように、おなかを両手で交互に1分間押していきます。
- 仰向けに寝て膝を立てた状態で、左肋骨下から左足の付け根まで、おなかを上から下へ下から上へ、両手で交互に1分間押していきます。
食生活
油は、腸内で吸収されにくく、腸内に長く留まるため、便の滑りを良くします。
- 一日15cc(大さじ一杯)のオリーブオイルを飲みます。サラダなどに混ぜて摂取してもOKです。
便意があり、便が出そうで出ない方の場合
便意があるのは、直腸まで便は下りてきています。
ただ、肛門を締めている恥骨直腸筋が排便時に緩まなくて、排便できなくなっています。
体操として、毎日、座った状態で、肛門を恥骨のほうに5秒間引き上げ、その後、5秒間脱力します。それを何度か繰り返します。
排便時には、肘を太ももに乗せた前傾姿勢になり、排便しやすい状態を作り、肛門を恥骨のほうに5秒間引き上げ、その後脱力しながらお腹に力を入れて排便します。