世の中には、「自分がichi番だ」と言っている整体師がいます。
ほかで変わらなかった方を、施術して何人も対処していくと、そう思い込んでしまう時期があります。
自分にも、そんな時期がありました。
でも、それは、経験が浅く、まだ井の中の蛙状態の未熟な頃までです。
もちろん、人それぞれ優れた部分があると思いますが、ある程度キャリアを積めば、その段階は卒業しないといけません。
自分に自信を持って施術することは悪いことではありませんが、それは、自分の心の内にしまっておけばよいことです。
人が施術できる範囲は膨大で、とても一人ですべてカバーできるものではありません。
たとえカバーできたとして、すべてにおいて自分が一番と言うのはあり得ません。
それぞれの整体師には、それぞれ得意・不得意があり、施術可能な範囲があります。
それぞれが得意分野を施術して、施術範囲外は、ほかの整体師にバトンを渡すということも大切です。
そのためには、どんな施術範囲があって、自分がどこをやっているかという理解がなければいけませんが。
今、20年前から、発作的に激しい頭痛に見舞われ、医師からこれ以上強い薬は出せないと言われた薬を飲んで、気を失わないといけないという方が通われています。
ここ10年は、数々のゴッドハンドと呼ばれる方の施術を受けてきて、3ヶ月に1回程度の発作で済むようになっているそうです。
やっとここまで変わってきた方のバトンを、自分が受け取ったと思って施術しています。
ほかの先生方が検査・施術できなかった範囲を自分が担当しているという感じです。
この方の場合、脳幹、延髄、脊髄など、原始脳と呼ばれる領域の異常が尋常ではありませんが、それ以外にも全身のあちらこちらに異常が出てきて、施術しています。
ゴッドハンドといえども施術可能な範囲が限定されますから、ゴッドハンドから、ゴッドハンドではない自分へのバトンという不思議なことも起こります。
自分がichi番だと思ったら終わりです。
その途端、成長が鈍り、気付いた頃には、周りのほうが進んでいたということもあります。
それは、自分が所属したいくつかの療法で経験しました。
療法の開発者や代表者が、ほかと比べて自分のが凄いとやたらと言い出したなと思ったら、徐々に井の中の蛙状態に。
宣伝のために言っているならまだいいですが、本気でそう思い始めたら、要注意です。
もし、「自分がichi番」、「地域ナンバーwan」とかを目や耳にしたら、近付かないことです(笑)